kimmaのシネマブログ

映画とたまに本・ドラマの感想・自分なりの解釈について。あくまで1個人の意見です…

『インターステラ―』

〇作品概要

・2014年製作のアメリカ映画

・監督:クリストファー・ノーラン

〇感想・見どころ 

 壮大な世界感と設定に、ただただ息をのむばかりだった。序盤の本棚のシーンの謎について、ラストで明かされた時には衝撃的過ぎて言葉を失った。よくこんなストーリーを考えられるなと、思わず脚本を書いた人に思いを馳せてしまうほどだった。
 物語の舞台が、人類が絶望の淵に立たされている近未来という設定がもう惹きつけられる。その一方で、主人公が宇宙に行くことになってしまった理由といい、最後の結末といい、難しい数式と理論で説明されるため、正直しっかりと理解することは難しく、なんとなくしかわからない部分が多い。しかし、本作はそれでも飽きることがなく、途中で挫折することがなかった。なぜかというと、それらの理論が全くわからないわけではなく、大事な部分においては、大体は理解できるレベルになっている事が多かったからなのではないだろうかと感じた。細かいことはよくわからないが、なんとなく言っていることはわかるという絶妙なレベル感のため、付いていくことができない部分があっても、終始惹きつけられた。もちろん、惹きつけられる理由の1つには、映し出される壮大な宇宙の映像美も含まれだろう。

 最も印象的だったシーンは、主人公のクーパー(マシュー・マコノヒー)が、訪れた星に何年も前に辿り着いて生き残っていたマン博士(マット・デイモン)と取っ組み合いになるシーンだ。広大な星の上で、たった2人の小さな人間が争っている様子は、なんとも言えずみじめで、人間の存在そのものと、人間の心の小ささを感じずにはいられなかった。

 もしも子供の頃にこの映画を観ていたなら、本気で宇宙飛行士になりたいと思ったかもしれない。そう思ってしまうほど、本作は宇宙の謎を解明するワクワク感と、それでもまだまだ理解しがたい宇宙への希望を感じさせてくれる物語であった。