kimmaのシネマブログ

映画とたまに本・ドラマの感想・自分なりの解釈について。あくまで1個人の意見です…

『15時17分、パリ行き』監督:クリント・イーストウッド

〇作品概要

・2018年のアメリカの伝記映画

・上映時間…94分

・作品内容

…2015年に高速鉄道タリス内でタリス銃乱射事件が発生した。その際に犯人を捕まえ、多くの人々の命を救った3人のアメリカ人について描かれ、事件の全貌が明かされる。なお、アメリカ人3人は本人たちが演じている。

 

〇感想・見どころ ※ネタばれ含みます

 本作を観て驚いたことは、観る前はてっきり90分間で事件を描くのかと思っていたが、そうではなかったことだ。事件そのものについて描かれているのはラスト30分程度で、それまではずっと犯人を捕まえた勇敢なアメリカ人たち3人の、それぞれの事件発生までの過去について描かれているのだ。彼ら3人が、子供時代に出会った時から、それぞれがどのような経験をして、どのような大人になったのか、どのような考えを持っているのかなど、彼らが勇敢な行動をとることができた原因を丁寧に描いていることがとてもよかった。そのおかげで、ラストシーンで勇気ある行動が称えられて、勲章を授与する彼らの実際の映像が流れてきた時には、思わず涙があふれた。観る前は、まさか泣くほど感動できる作品だとは思っていなったのだが、これほど感動できたのは、過去からたどることで英雄たちについての理解が深まったからではないだろうか。普通だったら、事件の全貌のみを描くところ、このようなシナリオにしたことが本作の魅力の一つだと感じた。