kimmaのシネマブログ

映画とたまに本・ドラマの感想・自分なりの解釈について。あくまで1個人の意見です…

『決戦は日曜日』監督:坂下雄一郎

〇感想・見どころ 

 本作は、政治・選挙を題材にしたコメディ作品だ。このような作品は、これまでにあまり見たことがなかったので新鮮だった。政治や選挙についての知識がなくても、もちろん十分に楽しめるし、選挙の裏側をちょっぴり垣間見れたことは勉強になった。何より、政治に興味を持つきっかけを与えてくれるような内容のため、若い人ほどお勧めしたい作品だ。

 

①候補者 川島(宮沢りえ)と秘書 谷村(窪田正孝)のバランスが絶妙!

 川島は、こういう選挙候補者、街やテレビで見かけたことあるなーと思わず笑ってしまうような人物で、政治知識がないからこそ、時々至極真っ当なことを言うというキャラクターにどこか親近感が湧きつつ、どんどん引き込まれていった。それに対して、常に冷静で何事も淡々と説明しつつ、ユーモアもある谷村のキャラクターは、ちょっと砕けた感じの秘書という印象でおもしろかった。何より、谷村が常に川島をまるで子供をあやすように諭すという光景が滑稽で、2人の絶妙なバランスが作品をより一層魅力的にしていた。また、谷村以外の秘書の人々も、1組織に1人は絶対いる!と思えるキャラクターたちで、それぞれに癖があり、思わず笑ってしまう場面が多々あった。

 

②まさかの落ちるための選挙をするという以外な展開! 

※若干のネタばれ含みます

 中盤までは、炎上ばかりするようなダメダメな候補者を、周りがなんとか成長させて当選させるというストーリーなのだろうなと思っていたのだが、良い意味で裏切られた。なぜなら、川島は様々な政界のルールに納得がいかず、だんだんと選挙に落ちたいと思うようになるのだが、そんな彼女の望みを、なんと秘書の谷村が叶えてあげようするからだ。そこから2人は、こっそりと落ちるための選挙活動を開始する。この斬新な発想に驚いたと共に、2人が落ちるために次々炎上動画を撮影するという光景に笑わずにいられなかった。しかもそれらの動画は、なぜか良い方向に世間に受け止められ、予想だにせずに支持が落ちないという点も、またまた予想を超えた展開でおもしろかった。