kimmaのシネマブログ

映画とたまに本・ドラマの感想・自分なりの解釈について。あくまで1個人の意見です…

『ユーフォリア EUPHORIA シーズン2』監督:サム・レヴィンソン (ドラマ)

〇作品概要(簡単に)

 10代の男女の恋・友情・嫉妬・薬物・親子関係などについて描いた、ちょっと過激でエネルギッシュな作品。主人公のルー(ゼンデイヤ)は、父親の死をきっかけに薬物中毒になり、断薬会に通うも、なかなか薬物を辞められずにいる。薬のせいでハイになったルーは、時に家族や友人を傷つけてしまい、ルー自身もそんな自分に苦む。また、ルーを取り巻く登場人物たちは、個性的かつ、皆その人なりの問題を抱えている。そんな彼らの平凡とは言えない刺激的な日常を描いた作品。

 

〇感想・見どころ 

ユーフォリアの世界感

 シーズン1に引き続き、音楽や演出が普通のドラマとは異なり、まるで映画のようでとにかく見入る!かつ、それが毎話異なるテイストだから、すごい。シーズン1を見てから少し時間が空いていたが、見始めた途端「これ!このクレイジーな感じ!!」とあの目が回るような感覚を思い出した。このユーフォリアならではの世界感への没入感のおかげで、1話見始めたら止まらないことまちがいなし。

 

②ルーたちの過激な日常は刺激をくれ、時に共感を与える。

 彼らは10代の繊細な心を持っていて、いろいろなことに過敏に反応しがちだ。だからこそ、友人と自分を比較して悩んだり、現実の苦悩をうまく対処することができなかったりする。その結果、怒りが湧いた時は本気で怒るし、親友だって殴るし、叫びたいときは思いっきり叫ぶ。そんな彼らの心のままに行動する過激な行為は、私たちの平凡な日常からかけ離れていいるが故に、見ていてワクワクしたり、時に清々しい気持ちにさせてくれる。

 また、そんな彼女たちの悩みだらけの日々は、日本でごく平凡に学生生活を過ごしてきた人たちとはかけ離れてはいるものの、思春期に感じがちな自分を見失ったり、何もかもが嫌になってどうしようもなくなる感情は、誰もが経験したことがあるだろう。だからこそ、彼らに親近感がわくのだ。また、この自分を見失う感情は、シーズン2ではネイトの父親を通じても描かれている。それにより、私たちはこの感情は、子ども時代に限られたものではないことを知ることができる。

 

③シーズン2の見どころは、なんと言ってもレクシー!!
※多少のネタばれ含みます

 個人的に、今回はレクシーが活躍することは意外でもあり、嬉しかった。彼女がずっと抱えていた、「姉の影として存在し、いつも現実ではなく別世界に浸っていた」という感情は共感できる人も多いのではないだろうか。レクシー以外の登場人物は、みな主人公になれるタイプだが、レクシーはシーズン1では焦点を当てられることがなかったように圧倒的に脇役タイプだ。そんな彼女がシーズン2では、初めて自分から動き出し、物語を大きく動かす。そんな彼女の姿に、勇気を貰えることまちがいない。