『セイント・フランシス』
〇作品概要
・2022年公開のアメリカ映画
・監督:アレックス・トンプソン
〇感想・見どころ ※内容含みます
女性に寄り添ったとても温かな作品だった。
生理や中絶、レズビアンカップル、産後鬱など、女性だけにしかわからない問題がたくさん出てくる。本作で何度も伝えられることは、そういった一見話しにくいことに関する悩みでも、本音で話そう!ということだ。
主人公のブリジットは、ある時母親に「あなたが赤ん坊の時、全然泣きやまなくて、あなたの足を持って壁にぶつける想像をした」と告白される。「なんでそんなことを子供にいうの!?」と驚くブリジットに、母親はだってそれが本当のことだからと言うのだ。このシーンに、本作のメッセージが詰まっていたのではないかと思う。
それは、つまり、女性特有の悩みは本当に大変なことばかりで、それをわかりあえるのは、やっぱり女しかいない。だからこそ、ためらわずに本音で打ち明けてしまおう!そうすれば、少しは心も軽くなるのだということではないかと思う。
実際に、ブリジットが子守の仕事をするために通っていた家で、産後鬱になっていた母親に、上記のブリジットの母親のエピソードを告げると、彼女は泣き止みふっと笑い出す。
本作に出てくる登場人物の女性たちは、それぞれに女として生きるうえでの様々な悩みを抱えている。そのため、自分と同じ悩みを抱えている女性を一人は見つけることができるだろう。そして、観終わったあとには、肩の荷を下ろしてくれるような気持ちになれるだろう。また、こういった作品だからこそ、特にパートナーがいる男性にもぜひお勧めしたい。