『Love Letter 』
〇作品概要
・1995年公開
・監督:岩井俊二
〇感想・見どころ ※ネタばれ含みます
小樽の雪景色が美しかった。かなりの雪が降っている場面も多くて、それがロマンティックでもあり、時折不安な気持ちにさせもした。
しばらくは渡辺博子が、亡くなった彼氏である藤原樹の過去をたどるという、2人の愛の物語かと思って観ていた。しかし、ストーリーが進むに連れて、藤原樹と同姓同名のもう一人の藤原樹の回想シーンが多くなっていき、ラストでこれは2人の藤原樹のラブストーリーだったのか!と気づかされた。知らぬ間に、2人の藤原樹の恋物語に吸い込まれていくという感覚は、これまでにないとても不思議な体験だった。
はじめ、中山美穂が一人二役だということにちょっと混乱した(笑)最終的に2人が似ていなくてはいけない理由を知ったことで、いちを納得はしたのだが、個人的には顔が似てる別の役者でもよかったので?と思った…瓜二つだと、時々ファンタジー的な要素が秘められているのか?(ドッペルゲンガーとか)と疑いそうになったからだ(笑)
亡き藤原樹から初めて手紙が戻ってきた時に、渡辺博子が亡き恋人が返してくれたと信じたいと言ったことには共感した。彼女がそう思いたいのであれば、そう思えばいいし、個人的には世の中全てを明らかにすればよいというわけではないと思うからだ。それにもかかわらず、真実を明らかにしようとするちょっと強引な秋葉茂(笑)だけど、結果的に博子が亡き彼との心の区切りをつけるきっかけとなったのであれば、よかったのかもしれない…