kimmaのシネマブログ

映画とたまに本・ドラマの感想・自分なりの解釈について。あくまで1個人の意見です…

『女子高生に殺されたい』監督:城定秀夫

〇あらすじ(簡単に)

 東山春人(田中圭)は、「女子高生に殺されたい」という願望を抱いている。そのを望みを叶えるために、彼は高校教師になり、ある学校に赴任する。夢の実現に向けて、ターゲットに決めた女子高生たちと距離を縮めていくが。。。

〇感想・見どころ ※多少ネタばれ含みます

①これまでにないストーリーと予想できない展開

 ここ最近で観た作品の中で最も没入感があり、作品名のインパクトから察するとおり、これまでに見たことないストーリーでとても面白かった。特に主人公の東山(田中圭)の”殺されたい”という不思議な感情に非常に惹きつけられた。人を殺す計画ならまだしも、殺される計画は実行者は他人になり、かつその人には犯罪を犯してもらわなければならないわけであるが、それをどうやって実現させるの??ということが気になって仕方がなかった。

 最終的に、彼がなぜ高校教師になり、なぜあの学校に赴任してきたのかという理由には、予想もしていなかったような真実が隠されていた。始めは、小杉あおい(河合優実)が、東山と何か関係があるのではないかと思わせておいて、そうではなかったということが良い意味で裏切られた。

南沙良の圧倒的演技力

 より一層、作品を魅力的にしていた要素は、南沙良の演技だ。何かを秘めていそうな謎な雰囲気と、解離性同一性障害によって1人で3役を演じた姿が圧巻だった。目つきや表情だけで完全に別の人格を演じ、人格が変わったとわかる瞬間は鳥肌がたった。先日ドラマ「ドラゴン桜」で見た彼女とは良い意味で全く印象が異なり、他の役を演じる彼女も見てみたいと思ってしまった。

 

③友情に感動する

 ラストの、これまでたくさん真帆に救われたあおいが、今度は真帆を救うという展開にも感動した。お互いが、誰も知らないお互いの秘密を知りながらも、それを受け入れ、親友であるという関係は、心の奥深いところで結ばれているようで、そういうのって素敵だなと心から感じた。東山は、オートアサシノフィリアを抑えることができず、道を踏み外しかけたわけだが、彼も真帆にとってのあおいのように、彼のこと全てを受け入れてくれ、支えてくれる深川(大島優子)のような人がずっとそばにいたならば、オートアサシノフィリアとうまく付き合いながら生きていくことができたのだろうか…