kimmaのシネマブログ

映画とたまに本・ドラマの感想・自分なりの解釈について。あくまで1個人の意見です…

『パリ13区』 監督:ジャック・オディアール

〇作品概要(簡単に)

パリ13区に住む4人の男女の性・愛について描いた作品。

エミリー(ルーシー・チャン)…台湾系フランス人。オペレーターをやっていたがクビになる。ルームメイトを探している中で、カミーユに出会う。

カミーユ(マキタ・サンバ)…高校教師。エミリーのルームメイトとして一緒に暮らすことになる。また、高校教師を一時休み不動産屋で働くことになったことで、ノラに出会う。

ノラ(ノエミ・メルラン)…30代にして大学に復学するも、同級生といろいろあってうまくいかずに、カミーユの不動産屋で働くことになる。

・アンバー・スウィート(ジェニー・ベス)…カムガール。ノラがアンバー・スウィートに似ていると勘違いされてしまったことをきっかけに、2人は出会うことになる。

〇感想・見どころ ※ネタバレあります!!

 全編モノクロの本作は、4人の主に性と愛に関する日々の出来事を描き、何か大きな事件が起こるわけではなく、全体的に平穏に物語が進んでいく雰囲気が”ザ・フランス映画”という印象。そのため、内容は一言で表すことのできるようなわかりやすいものではなく、観る人によって感じることや捉え方が大きく異なるだろうと思われる。

一方で、何度か流れる音楽は、意外にもクラブにかかっていそうなファンキーな感じの音楽のため、これまでフランス映画は眠くなるから苦手だと思っていた人でも、本作ならそこまで退屈せずに観れるかもしれない。

 個人的には、ノラとアンバー・スウィートのストーリーに一番感動した。2人の孤独な女性たちが、PCの画面を通じて、始めはただ互いに孤独を埋めるために会話していただけだったが、いつの間にか互いの幼少期からの写真を見せ合うようになり、気づいたら”目が覚めた時に隣にいてほしい相手”となっていく過程は、とてもロマンティックだった。また、ラストシーンで、初めて現実世界でリアルに2人が会った際に、彼女たちがするキスはとても美しかった。